研究
ぼけ老人の在宅介護を支える要因に関する比較事例研究—ショートスティ利用後の在宅介護継続例と施設入所例について
三徳 和子
1
,
鎌田 ケイ子
2
,
簑輪 眞澄
3
,
藤田 利治
3
,
八代 悠紀子
4
Kazuko MOTOKU
1
,
Keiko KAMATA
2
,
Masumi MINOWA
3
,
Toshiharu FUJITA
3
,
Yukiko YATSUSHIRO
4
1岐阜県関保健所
2東京都老人総合研究所
3国立公衆衛生院疫学部
4国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.420-427
発行日 1986年6月15日
Published Date 1986/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207285
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●はじめに
日本の人口は急速な勢いで高齢化が進行しており,各地で老人の健康問題が取り上げられている.なかでも障害を持つ老人,とりわけぼけ老人については,家族のぼけに対する理解の乏しさと対応の困難さを背景として多くの問題点を呈示している.ぼけ老人の介護については昭和55年に東京都が行った実態調査1),中島ら2,3)が行ったぼけ老人をかかえる家族の会の全国調査,鎌田ら4)が行った小金井市の実態は把握されているが,ぼけ老人の在宅介護を支える要因と限界を生じさせる要因についてはまだ十分に明らかにされているとは言えない.
そこで岐阜県内の特別養護老人ホームS施設において,ぼけ老人ショートスティを利用して退所した後,在宅ケアが限界に至った事例と在宅ケアを継続している事例を比較し,ぼけ老人の在宅介護を支える要因を探った.
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