連載 医療者からみた高齢者の「こころとからだ」・4
入所者の「満足度」から高齢者の生活を考える
高齢者の生活環境と「こころとからだ」を考える会
pp.815
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200019
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これまで高齢者の「こころとからだ」を図形化で表す試みを行ってきた.図1のY軸に精神的障害度と身体的障害度を,X軸に高齢者の心境をプロットして三点を結んだ三角形の面積を高齢者の生活における「満足度」と考えた.
前回は投薬などの精神的な加療,リハビリテーションなどで高齢者の快復がなされ,それに呼応して心境も改善すると述べた.しかし,X軸上のプロットはあくまで不確定要素によって変移する.高齢者施設で入所者が生活する中,精神的・身体的に良好でも「満足度」が低くなることはあるし,逆に精神的・身体的障害度が高くても「満足度」が高くなることが少なくない.今回はそうしたいわば「イレギュラー」な三角形から,高齢者の満足とは何か考えてみたい.
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