書評
臨床の専門家と研究の専門家の共通理解を導くナビゲーション(航海図)
真田 弘美
1
1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻
pp.135
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100887
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現場で行なう看護研究の共通言語ができた
「臨床看護師,看護系研究者は,看護の向上のために何をすべきか?」との問いに,著者はシンプルで明確な答えを強く訴えている。「根拠に基づいた医療が求められる中で,看護は,臨床・研究の区分を超え,エビデンスに基づいた看護の実践と,エビデンスを生み出す研究を一体となって進めていくべきだ」と。これを達成するには,臨床看護師と看護研究者の間で研究に関する共通言語をもち,互いの理解を深めることが必要である。研究に関する言語は,なにも研究者だけが使えればよいのではない。臨床看護師が,論文を読んだ上でデータを客観的にクリティークし臨床のケアを適応させる上でも,臨床の知見を研究としてまとめていく上でも,研究に関する言語は欠かせない。その意味で,本書は,看護研究者・臨床看護師の双方をつなぐ研究の共通言語となりうる1冊と言えるだろう。
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