連載 COVID-19診療の最前線から――現場の医師による報告・Vol.9
専門家会議
-――これまでの背景と役割
岡部 信彦
1
Nobuhiko OKABE
1
1川崎市健康安全研究所
pp.805-810
発行日 2022年2月12日
Published Date 2022/2/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28007805
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POINT
⃝COVID-19は第5波を越えて収束の兆しが見え,少しずつ制限等の解除が進みはじめているが,世界ではワクチン接種が進んだにもかかわらずリバウンドが生じている国もあり,予断は許されない.
⃝COVID-19対策のため立ち上げられた「専門家会議」は,①クラスターの早期発見・早期対応,②患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保,③市民の行動変容,を三本柱として政府へ提言を行ったが,その役割や位置づけについての議論も生じた.
⃝専門家会議の法律的位置づけ,多分野参入の必要性などから,内閣官房・新型コロナウイルス感染症対策分科会として発展的に移行し,厚生労働者・アドバイザリーボードが復活した.
⃝COVID-19は単なる感染症の枠組みを超えて,政治,経済,国際社会の混沌を巻き込んだ “社会の病” となり,その対策は複雑化しており,そこには医学以外に経済や社会学の視点も含めた “さまざまな分野からの処方箋” が必要とされる.
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