特集 在宅での排泄ケアを見直す
在宅での排泄ケアの留意点
西村 かおる
1
1日本コンチネンス協会
pp.403-410
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901819
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はじめに
施設内では問題にならないケアが在宅では生活が続けられるかどうかの分岐点になることがいくつかある.その最たるものが排泄ではないだろうか.夜間のトイレ誘導,またおむつ交換は24時間ケアできる体制があってはじめて可能なケアであるし,留置カテーテルの管理は医療処置がすぐにできる環境であれば,違和感がない.しかし,いったん生活の場に帰るとそれらは非常に問題になる.排泄ケアがうまくいけば在宅ケアがうまくいくといっても過言ではない.それは以下のような排泄ケアの特徴による.
まず排泄ケアは本人のペースでケアする必要がある.食事や入浴のようにケア側の都合で時間を調整することが難しい.さらに回数が他のケアよりも多い.そして排泄物は衛生的な問題を起こしやすい.何より排泄行為は独立した行為ではなく,連続した様々な行為で成り立っている.その内容については後で述べるが,排泄を自立させるということは他のことも自立するプロセスであることが多い.
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