連載 在宅ケアプランの立て方とケア提供の実際―水口町保健センターの実践から・5
看護者が提供するべき技術とは
奥村 啓子
1
1水口町立訪問看護ステーション
pp.381-384
発行日 1998年5月15日
Published Date 1998/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901815
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訪問看護を必要としている人は,病院や診療所の外来に通院中か,退院をしてきた人です.健康な人にとっては,病院などはそう頻繁に行くところではありませんし,また行きたいところでもないでしょう.けれども,病院には人があふれています.たまに行くと本当に驚きます.場所によっては午前中の診療時間がとても午前中に終わらず,午後にまで持ち越しているといいます.先日,受付開始の1時間ほど前に,少し早いかなと思いながら病院へ行ったところ,ロビーを埋めるほどの長蛇の列ができていて驚きました.早い人では午前5時頃から順番をとっているという話を聞きます.救急患者でない限り,受診するということは,計画性とエネルギーのいることです.頭も身体もある程度しっかりしていないと受診自体が難しいということは皮肉なことだと思います.
平均寿命がのびて高齢化が進み,疾病構造が変化し,家庭で疾病をもちながら生活している人が増えています.また,重複した疾病を持ちながら生活している人も多くなっています.最近では,従来ならば入院生活を余儀なくされていたであろう疾病をもちながらも,自己の生活を取り戻すべく在宅で過ごすことを希望する人や家族(ターミナルケアなど)も出てきています.
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