特集 看護者自身の中の准看制度
良い看護を提供し得なかった看護者の歴史
小島 ユキエ
1
1日本看護協会出版会
pp.1139-1143
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919083
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はじめに
‘歴史は創られるもの’だといわれるが,それはその時代に生きた人たちが創り上げるものだろう,と私は考えている.しかもいったん創られた歴史は,あとになって不都合と考えられる部分を訂正したり,あるいは削り落としたりすることのできないものである.また‘私はその事に関与しなかった’とか‘全くそのような事のあったことを知らなかった’などと逃げることもできず,その時代を生きた者として,その歴史を認めざるを得ないところに,歴史そのものの厳しさがあり,それゆえにこそ重みがあるのだと思うのである.
1951(昭和26)年4月,保健婦助産婦看護婦法(以下,保助看法と略す)が一部改正され,甲種・乙種の区別なく看護婦に名称統一された.しかし同時に准看護婦制度が導入されたが,当時の看護界にはその導入を許してしまう背景があった.
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