米国短報
家族の変化が米国社会・医療に与えた影響
Scott 渡辺 由佳里
pp.672-673
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901714
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“たまごっち”がついに米国に上陸.ここボストンでも発売当日には前評判にかられたファンの長い行列ができ,発売と同時に売り切れ状態でした.1か月たった今,子供たちの間ではホットな商品になっていますが,大人まで巻き込み社会現象化する日本のようなブームは米国では考えられません.良い意味でも悪い意味でも国民の意見が一致することがめったにない国だからです.多民族社会ということもあるでしょうが,何につけ「個性」を重んじる国です.
米国人は幼いころから「ユニークであること」を奨励されます,勉学が優秀であっても,他人と異なるセールスポイント(音楽・芸術・スポーツの才能やボランティアなどの社会活動の経験,マイノリティーであることなど)がないと有名大学への入学も困難です.また,それらのセールスポイントを売り込むことを忘れてはいけません.大学入学のみでなく就職でも自己主張することが大切です.この国では謙虚であることは役に立たないどころか,存在を忘れ去られたり社会的能力に欠陥があるととらえられかねません.明るくフレンドリーに自己主張をすることは,(会社での出世を含めて)社会生活に必要不可欠な能力であり,サバイバルの技術なのです.
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