特別記事
在宅痴呆ケアを見直そう―『病んだ家族,散乱した室内』に学ぶ
岡本 祐三
1
,
松本 京子
2
,
梁 勝則
3
1岡本クリニック
2訪問看護ステーションわたぼうし
3はやしやまクリニック
pp.384-390
発行日 2002年5月15日
Published Date 2002/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901491
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本誌 昨年秋,小社から,精神科医の春日武彦先生が執筆された『病んだ家族,散乱した室内』という本が出版されました。ずいぶんとおどろおどろした題名ですが,副題に「援助者にとっての不全感と困惑について」とあるように,本書が扱っているのは,在宅におられる痴呆老人や精神障害者,そしてその家族に訪問看護婦や保健婦はどうアプローチしていけばよいのか,といったきわめて真面目なテーマです。この本を岡本先生が非常に高く評価してくださいました。そこで,本日は本書を絡めながら,在宅での痴呆老人のケアについてお話し合いいただきます。
本題に入る前に,このテーマへの挑戦ということも含めて,岡本先生は開校以来務めてこられた神戸市看護大学を辞され,クリニックを開業されました。阪南中央病院で早い時期から在宅診療に取り組まれ,大学では介護保険制度の創設に深くかかわってこられました。そして今回はその介護保険下で在宅医療・福祉を実践されるお立場に回られたわけですが,「介護の社会化」推進のオピニオンリーダーでもある先生が,このような道を選ばれた経緯について簡単にご説明ください。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.