特集 介護保険制度施行3年目を振り返る
居宅介護支援事業を問い直す―実践現場からの考察
高野 龍昭
1,2
1益田市立在宅介護支援センターくにさき苑
2益美医師会居宅介護支援事業所
pp.964-970
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901433
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はじめに
介護保険制度が施行され,3年目が過ぎようとしている。この間の情勢について,特に行政担当者からは「細かな問題はあったものの大きな混乱もなくスムーズな制度実施や事業運営ができている」という評価が大勢を占めている。だが,この見方と実践現場の感覚には大きな隔たりがある。特に,介護保険制度とともに新しく誕生した居宅介護支援事業の業務については,その歴史の浅さもあり,他のサービスに比べてこの間の現場の戸惑いは大きかったのではないだろうか。
具体的に言えば,1)業務の内容・位置づけ,2)業務の質・担当者の力量,3)業務の採算性の3面にわたってさまざまな課題を内包しつつも,表層的には大きな問題が露呈されることなく業務は行なわれている。しかし,看過できないいくつかの矛盾は内在したままである。
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