特集 在宅ケアにおける感染症対策―押さえておきたいポイント
特集1
在宅ケアにおける感染症対策―その考え方
稲松 孝思
1
1東京都老人医療センター感染症科
pp.718-721
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901364
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高齢社会に突入し高齢者に対する医療のあり方は大きく変容しつつある。高齢者自身のニーズが変化し,QOL重視の観点からも在宅医療が推進され,末期医療の見直しが行なわれている。また,社会経済的観点から拡大の一途をたどる高齢者医療費の削減を目標として,高齢者医療・介護施設の再編成や介護保険あるいは包括的保険支払制度の導入など,一連の施策がなされている。これらにより,高齢者に対する医療・介護の場は,先端的医療を行なう病院から在宅まで,より広がりのあるものとなった。
高齢者が利用する施設・サービスはそれぞれの病態や家族介護状況などにあわせて選ばれ,当然,そこで行なわれる医療・介護行為はそれぞれ異なり,注意を払うべき感染症の種類も異なったものとなる。本稿では,在宅場面での感染症対策について,高齢者感染症の特性やその対策についての基本を述べたいと思う。
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