特集 介護保険をめぐる地域のネットワークとルールづくり
特集5
訪問看護ステーションの活動から地域へ発信―秋田県能代市山本郡地域における模索
山崎 京子
1
1能代山本訪問看護ステーション
pp.27-32
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901210
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
■能代市山本郡地域
当ステーションは,秋田県北部の能代市にある。1市6町1村の農村地帯で,人口は約11万人,訪問距離は約30km圏をエリアにしている。郡市全体の高齢比率は27.5%(F町は30.7%)と高く,高齢世帯も多い(市15.8%,F町15.5%)。エリア内のF町は後述する会議などで当ステーションと関わりが深いので少し紹介する。
F町の要介護認定者数と居宅介護サービス利用状況および施設入所者については表1のとおりである。要介護度別の居宅介護サービス利用状況をみると,全国平均の「利用率40~50%」をはるかに下回って平均利用率のピークは「10~20%」である。介護度の軽い要支援のピークが「30~50%」と多いのに対して,要介護5のピークが「10%未満」であり,介護度が重くなるにつれサービスの利用が少なくなっている。これは,1割自己負担の支払額の金額が問題なのか,また寝たきりの場合は家族で介護するという慣習が影響しているのか。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.