日本列島
急を要する精神障害対策—沖繩県,他
伊波 茂雄
pp.604
発行日 1973年9月15日
Published Date 1973/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204720
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戦前,沖繩県には精神病床はなかったといわれる.戦後昭和24年米軍の指導の下に精神障害者の収容治療が行なわれるようになり,さらに長期的展望にたった精神衛生対策の樹立のために精神障害者の実態を把握する必要が生じたため昭和41年,当時の琉球政府厚生局は日本政府の援助の下に精神衛生実態調査を実施した.
結果は,精神障害者の人口千対有病率は25.7で本土(沖繩を除く都道府県)のそれ,すなわち人口千対有病率の12.9に比し約2倍である事が推定された.特に精神分裂病は本土では人口千対2.3であるに比し,沖繩県では8.2となっており,精神病については3倍近い有病率となっている.また,施設に収容を必要とするものは約3,826名と推計されている.
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