連載 暮らしの手触り・第6回
「百姓」と地域医療
坂井 雄貴
1,2
1にじいろドクターズ
2ほっちのロッヂの診療所
pp.62-63
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688202071
- 有料閲覧
- 文献概要
日々地域で働く身として、外来や訪問診療、時に庭仕事をしたりお節介を焼いたりしているが、私の医師としての専門は家庭医療・総合診療という分野だ。年齢や性別、状態に関わらず、すべての人を、時に家族や地域、社会にも思いを巡らせながら診療をする。
いわゆる「ジェネラリスト」と呼ばれる医者である。対になる言葉としては「スペシャリスト」があり、循環器内科や腎臓内科、産婦人科といった特定の臓器や状態を医療の対象とする領域別の専門医を指す。ジェネラリストというと、そんなものは専門ではない、誰でもできると言われたりするのは私が医学生だった頃からの常だが、十年ほど生業として続けていればそう簡単な話ではないとも思う。特に家庭医療の根底にある学問の部分を学び実践する経験を思えば、これはやはり専門性だと言いたくなるのだ。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.