連載 金丸弘美の食をめぐる旅・10
100種の農作物を作る「東京の百姓」
pp.823-825
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902683
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
東京都内には1万5460軒の農家がある。驚かれると思うが,都内23区にも2257軒の農家があるのだ(平成12年調べ)。戦後間もなくは6万軒近くあったというから,相当の激減である。しかし農業は健在だ。
江戸時代,江戸は新しい農業の発祥地だった。というのも徳川家康は,野菜不足からくる脚気や夜盲症などの「江戸病」対策として野菜作りを奨励したからだ。「江戸病」は参勤交代による時代病ともいえ,各地から優秀な農業家が集められビタミン豊富な野菜作りが研究された。全国の種が持ち込まれ,これが品種改良され,各地に広がっていったのである。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.