連載 スペシャリストの現場思考・第6回
家族看護
堀 美帆
1
1ウィル訪問看護ステーション
pp.920-923
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201802
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「お父さんの体調のことだから自分で決めてほしい。だけどいつものようにその場の感情で決めて、思ったような体調にならなかったら、イライラして家の中の雰囲気が悪くなるし、私に当たられても困ってしまう。私もいろいろ治療について調べたから、私の話も聞いて決めてほしいの」
これは、あるがん疾患の利用者が治療に関する意思決定をする際に出た、利用者を介護する娘の発言である。まさに「家族」という互いに影響し合う性質を表わした言葉だ。利用者の病状が家族の情緒的関係やコミュニケーションに影響を与えていること、また、利用者の意思決定プロセスを共に歩むため、家族は病状や治療に関して調べて考えるという対処行動をとっていることが分かる。
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