特集 看護学を知りたい!―医師のための看護学入門
【チーム医療における看護実践】
家族看護
山本 則子
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1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科高齢者看護・ケアシステム開発学
キーワード:
家族
,
慢性疾患
,
家族支援専門看護
Keyword:
家族
,
慢性疾患
,
家族支援専門看護
pp.506-508
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101952
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Case
患者:70代,女性.糖尿病.
現病歴:アルツハイマー型認知症.
経過:A市の自宅で夫と息子夫婦とその子どもとで生活しており,外来を受診しているほか週に1度ずつ訪問看護も利用している.主な介護者は50代の嫁で,夫と息子は市内の別の場所に持っている会社で働いている.そのほか同県他市に娘が住んでおり,時折介護を手伝っている.以前から特別養護老人ホーム入所の順番待ちの状態である.
ある日,入所の順番がきたと特養から連絡があったが,入所は見送りもうしばらく自宅で介護したいと息子が返事をした.その後,訪問看護師から主治医に電話連絡があり,家族への病状説明を頼みたいとのことだった.主治医は「息子は自宅で介護をすると決めて申し出てきたばかりなのに,なぜ今ごろ病状説明しなければならないのだろう?」といぶかった.訪問看護師は,主介護者である嫁が介護に疲弊し抑うつ状態であり,倒れる寸前と思われること,日中は家にいない息子や夫,たまにしか来訪しない娘には認知症の進行がうまく理解されず,あらゆる介護保険サービスの利用に強硬に反対していることを主治医に伝えた.
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