特別記事
在宅におけるICTを利用した死亡確認時の看護プロトコール
尾﨑 章子
1
1東北大学大学院医学系研究科老年・在宅看護学分野
pp.496-501
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201710
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制度設立の経緯
医療資源の乏しい地域での最期の尊厳を守る
在宅で最後まで過ごすことを本人と家族が希望していても、地域の医療資源が乏しいために住み慣れた地域を離れ、病院や施設に入院・入所したり、死後診察を受けるために遺体を長期保存したり*1、臨終期に救急搬送したり、検視となったりする事例*2が報告されています。このような状況に対応するため、在宅での看取りにおける死亡診断の手続きの整備について、内閣府での検討が重ねられました(「規制改革に関する第4次答申」)*3。
これを受け、厚生労働省から「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」*4(以下、ガイドライン)が発出され、医師による遠隔での死亡診断等を行う制度の運用が開始されました。この制度は、受診後24時間を経過していても特定の要件(表1)を満たす場合に限って、対面での死後診察によらずに死亡診断を行い、死亡診断書を交付できるもので、ICTを活用した遠隔での死亡診断の制度は世界に例がありません註。
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