連載 リレー連載・列島ランナー・146
死亡確認時の医療従事者の立ち居振る舞いに関する教育・研究活動
岡本 宗一郎
1
1医療法人貞栄会 千葉在宅診療クリニック
pp.483-486
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209661
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はじめに
終末期は誰もが経験する人生の最終段階であり,最期を迎える患者や家族は今までに経験したことがないさまざまな問題に直面します.刻一刻と変化する患者の病状に対して,医療従事者は適切かつ多角的で丁寧な対応が求められます.緊張感の絶えない現場において,とりわけ終末期医療は経験の少ない若手の医療従事者が困難さや苦手意識を抱きやすい領域とされています.死亡確認・診断時は,単に患者の呼吸や心拍の停止を確認するだけではなく,それに適した環境の調整,多職種連携,死亡した事実を伝える一連の行為が含まれるため,家族の気持ちに配慮した対応が必要です.しかし,医療系学生や若手の医療従事者が,終末期ケア(死亡確認・診断を含む)を系統立てて学ぶ機会は限られており,経験豊富な指導者から“暗黙知”として教わることが多いのが現状です.
こうした状況を改善するため,緩和ケアを専門とする若手医師が中心となり,死亡確認・診断時の医療従事者の立ち居振る舞いに関する教育・研究活動を行ってきました.これまでに発表されたエビデンスの紹介を交えながら,筆者らが行ってきた活動を報告します.
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