連載 在宅ケア もっとやさしく、もっと自由に!・133
もう一度、「東京オリンピックが見たい」—人それぞれに生きる指標がある
秋山 正子
1,2,3
1株式会社ケアーズ 白十字訪問看護ステーション・白十字ヘルパーステーション
2暮らしの保健室
3マギーズ東京
pp.826-827
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201549
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「本当なら、今頃は東京オリンピック・パラリンピックの最中だったのに」というつぶやきを耳にしました。こんな猛暑の中で開催したらどうなってしまうのだろうと私なんかは思ってしまうのですが、1964年の東京大会を熱中して観た世代—今の「高齢者」—の方々の中には、新型コロナ感染拡大防止の観点から延期が決定したときに「がっかりした」という人も少なくないのだろうと想像します。
訪問先でも、「東京オリンピックのときは○歳で、知り合いが聖火ランナーに選ばれて沿道で応援した」「マラソンで“はだしの王者・アベベ”が優勝したのを、電気屋さんのテレビで見た」といった話が出ることがあります。当時の情景と自分の齢を重ね、遠くを見るようにして語る言葉を聞くと、オリンピック開催の功罪はさまざまでしょうけれど、「オリンピックは、待つ人を元気にする力が確かにあるのだ」と感じないではいられません。
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