連載 「みんなの認知症見立て塾」出張講義 認知症「見立て」の知「対応」の技・第2回
「認知症」って何ですか?
上野 秀樹
1
,
内田 直樹
2
1千葉大学医学部附属病院地域医療連携部
2医療法人すずらん会たろうクリニック
pp.400-403
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201445
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今回から「みんなの認知症見立て塾」の内容をもとに、見立ての知と対応の技をお伝えしていきます。早速ですが、以下のケースをご覧ください。
CASE
86歳男性のAさん。同世代の妻と2人暮らしをしています。元々は活動的な方で、仕事を定年退職した後も週3日、ゲートボールに行く習慣をもっていました。しかし、3〜4年ほど前からその頻度が減り、気付くと最近は自宅に引きこもり、テレビを観るばかりの生活となっています。
息子は仕事が忙しく、最近実家に帰ることができていませんでした。しかし、久しぶりに実家に帰り父に会った息子は、以前とは異なる父の活気のない様子に驚きました。しばらく話をしていると、「仕事は忙しいのか」と同じ質問を何度も繰り返します。思わず母に尋ねると、「最近、急にというわけではないが、1〜2年前から物忘れが増えてきた」と言います——。
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