特集 看護小規模多機能型居宅介護で質の高いケアと経営を両立させる—調査結果と現場からみえてきたポイント
中重度者も、最期まで家で—データでみる看多機の現状と今後の展望
沼田 美幸
1
1公益社団法人日本看護協会医療政策部
pp.573-580
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200977
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「看多機」の設立背景と沿革
国民の多くに「最期まで家で過ごしたい」との希望があるにもかかわらず、現実には、医療依存度が高ければ自宅での暮らしを断念せざるを得ない状況があります。
日本看護協会では、その要因を探るため、医療機関、訪問看護ステーション、がんセンター、在宅療養するご利用者・ご家族に対してヒアリングを行ないました。すると、「家族が在宅介護で疲れて、レスパイト的な入院が多い」「家族の不安、疲弊によりターミナル期の2〜3週間を支えきれない」「医療依存度の高い人を受け入れてくれるショートステイがない」という声が聞かれました。そして中重度者の在宅療養に対応するためには、病状の変化時や家族のレスパイトにも対応でき、在宅療養上の不安や疑問を気軽に相談できる機能を一体的に有するサービスが有効と考えました。
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