特集 看護小規模多機能型居宅介護で質の高いケアと経営を両立させる—調査結果と現場からみえてきたポイント
—【レポート❶小多機から看多機への移行】—開設以来離職率ゼロ、登録待ち利用者も出る看多機
佐古田 専美
1
,
相川 哲朗
1
1有限会社ブレイクスルー
pp.546-553
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200973
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小多機から取り組んできた看取り
看多機の前身に、通い・泊まり・訪問介護を組み合わせたサービスとして2006年に誕生した小規模多機能型居宅介護(小多機)がある。包括報酬による柔軟なサービス形態からさまざまな期待があったが、現実には利用者の平均要介護度2・3という“軽症者向け”のサービスとして使われていた。そんななか、「3年間で30人を看取った小多機」として注目されたのが、広島県尾道市にある有限会社ブレイクスルーが運営する「びんご倶楽部 高須」。看護師が施設長を務め、医療的ケアの必要な人、認知症があるがん末期の人などを積極的に受け入れ、地域在宅医療体制において大きな役割を果たしていると話題になった。
その施設長だった佐古田専美(ひろみ)さんを管理者として、2015年に同社が開設した看多機「森のくまさん」。登録利用者のほとんどが認知症やがん末期、神経難病、心不全、それらを合併してもち、医療依存度の高い方だ。
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