連載 訪問看護実践と成果のつながりを可視化するために—日本語版オマハシステムの開発に向けて・第19回
事例展開でみるデータの収集、問題の推定・特定から評価まで
岩本 大希
1,2
1オマハシステム研究会
2WyL株式会社ウィル訪問看護ステーション江戸川
pp.208-213
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200891
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本連載では、これまでさまざまな事例を用いて、オマハシステムの活用方法について解説してきました。そのなかで、おもに訪問看護を行なうにあたって、初めのデータ収集・問題の推定→問題の特定/修飾因子優先度→介入開始前の評価→計画と介入までの事例展開を行なってきました。これは、図1のオマハシステムのステップ円環表*1で見ると、STEP1〜4まででしたが、オマハシステムの特徴の1つとして、長期的ケアについて評価・変化を追えるという点があります。そこで本稿では、事例をSTEP6まで進め、知識・行動・状態(KBS)の変遷や問題優先度の変化について述べていきたいと思います。
今回の事例は、染色体異常により医療的ケアの必要な小児に対する訪問看護と家族へのケアを取り上げます。全国の訪問看護ステーションにおいて小児の利用者を受け入れているのは約3割*2と、受け皿としてまだ少なく、今後より一層の医療的ケア児が増えていく社会において、訪問看護事業所が担うべき対象の1つとして重要であるという思いも含め取り上げました。
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