巻頭
—【座談会】—生活モデルで支援を紡ぐ
猪飼 周平
1
,
朝比奈 ミカ
2
,
中野 智紀
3
,
日置 真世
1一橋大学大学院社会学研究科
2中核地域生活支援センターがじゅまる
3東埼玉総合病院在宅医療連携拠点事業推進室
pp.77-87
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200863
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「生活モデル化」が合理的である社会が到来しつつあるのだという。
この指摘は、著書『病院の世紀の理論』(有斐閣)で知られる猪飼周平氏によるものだ。
何も、「道徳的に正しいから」ではない。
歴史的な大きな時間の流れのなかで、人々は、生活モデルに基づくケアを「よいケア」であると感じる方向に変化しているというのである。
これは、政策レベルから、専門職が行なうケアのレベルにまで関わる話なのだとか。
生活モデル——。大まかに理解しているけれど、一体どのような概念で、それを基軸に据えた支援がいかなる点で生活困難を抱える個人を支え得るものかを、自分の言葉に落とし込んでいる実践者は決して多くはないのではなかろうか。
今回、研究者であることを足場に現場に関わり続ける猪飼氏を司会に、地域社会に暮らす人々の支援に関わる実践者との座談会を企画。
三者三様の実践者と研究者の対話から『生活モデル』の輪郭線をなぞり、どのような価値観をもとにした支援なのかを探っていく。
すると、「地域共生社会」のなかでの位置付けも見えてきた。
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