特集 息苦しい療養者のQOLを高める 包括的呼吸リハビリテーション
見逃さない! 慢性呼吸不全の急性増悪と合併症
河内 文雄
1
1医療法人社団以仁会・稲毛サティクリニック
pp.378-383
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200695
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まずは正確なガス交換の理解から
本稿のテーマである呼吸不全の定義は、ただ1行、「動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下に低下している状態」というものです。しかしながら、実際の現場で、「分圧」というものを正確に理解している人はあまりいません。「酸素飽和度」や「低酸素血症」に関しても、同じような傾向があります。皆、何となくわかった気になって仕事をしているのかもしれません。でもこれでは、多職種間で正確な問題意識の共有がなされない恐れがあります。
理屈では何ともならない、病気という不条理なものを、できる限り、理屈で何とかしようとするのが、われわれ医療者の仕事です。遠回りのように見えて、じつはこれが最も安全で確実な近道です。いきなり応用編を解説する前に、しばらく基本に立ち返ってみましょう。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.