特集 息苦しい療養者のQOLを高める 包括的呼吸リハビリテーション
—充実したセルフケアを導く—アクションプランと自己効力感を高める関わり
鬼塚 真紀子
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1地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪はびきの医療センター
pp.366-370
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200693
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「次またあの息苦しさが襲ってきたらって思うと、恐くてたまらない。だからそれが起こらないようにじっとしていたら、いつの間にか動けなくなってしまった。もう何もできなくなってしまった」。
これは、息切れを避けるための行動制限によって、活動量が減り、ディコンディショニング(身体機能の失調、低下)の悪循環に陥ってしまった結果、セルフケアを行なう自信をも失ってしまった患者が語った言葉です。呼吸不全の進行に伴い、このような状況に陥る慢性呼吸不全患者は少なくありません。こうした悪循環を断ち切り、患者のQOLを維持するためには、その人がどう行動すべきかを示すアクションプランと「できる」という自信、つまり、自己効力感を高める関わりが重要です。本稿では、その支援例を紹介していきたいと思います。
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