調査報告
特別養護老人ホームの高齢者におけるBMIを用いた死期の推定—自然で穏やかな看取りケアを導くために
西山 八重子
1
,
小番 祐子
1
,
上野 興治
2
,
大枝 真弓
2
,
在田 創一
3
,
久古 浩孝
3
,
勝浦 みつ子
3
,
川上 嘉明
4
1社会福祉法人小田原福祉会特別養護老人ホーム潤生園
2社会福祉法人福祉楽団特別養護老人ホーム杜の家やしお
3社会福祉法人福祉楽団特別養護老人ホーム杜の家くりもと
4東京有明医療大学看護学部看護学科
pp.295-300
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200429
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高齢者人口の増加に伴い、高齢者死亡数が急増している。地域のあらゆる場がその死亡場所となりつつあり、介護保険施設においても例外ではない。高齢者が死に至る経過においては摂食困難が現れるが、死期の推定が難しい場合、摂食を維持することにケアの重点がおかれ、看取りケアへの転換が図れないことがある。
本研究では特別養護老人ホームで自然な経過のまま看取りケアを行なった高齢者91名を対象とし、死の1年前からの毎月の体重測定値とBMIを分析した。その結果、死の6か月前より体重減少率が加速度的に増すとともに、BMIの基準値の下限とされる18.5を下回り、やせ細ることが明らかとなった。これらは死期を推定する一助になり、より自然で穏やかな看取りケアへの転換が促されると考えられた。
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