特集 第2回懸賞論文 大賞発表! 家(うち)で看取った“あの人”のこと
【入選】
家で看取った父が教えてくれたこと
長谷川 智美
pp.746-749
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200278
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ALSの父を自宅で介護する決断
健康でごく普通の生活を送っていた父の身体に異変が起き始めたのは、2005年の年末のことだった。呂律がまわらず笑い上戸になった父を、お酒の飲みすぎだと思っていた私たち家族はよく叱りつけていた。
しかし、それから父の症状はどんどん悪化し、半年後の2006年9月に神経内科を受診した父と私たち家族は「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」と告知を受けた。それからも父の症状はさらに進行し、できないことが目に見えて増えていく日々が続く。父は「死にたい」と言っては泣き、母は慣れない介護にヒステリックになり、私はそんな2人をなす術もなく見ている毎日だった。
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