特集 第2回懸賞論文 大賞発表! 家(うち)で看取った“あの人”のこと
【入選】
姑から最後にもらった忘れられないおくりもの
石川 麗子
pp.742-745
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200277
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年老いた母親と同居する彼と結婚することになったとき、いちばんの悩みはその母親と3人で暮らすべきか、あるいは別に暮らすかであった。結婚している先輩方に尋ねると、ほとんどの人から「同居は無理だよ。やめたほうがいい」との言葉が返ってきた。初めて家に挨拶に行ったときに、「おかえり〜」と声を弾ませているお母様の姿をみて、私が残り少ないであろう人生の最後に、愛する息子を1人占めしては罰があたると感じた。
数年前、母1人子1人の絆の強い2人の間に、別の女性がお嫁にきた。しかし、その1か月後に家を出て行かれたことから、それぞれが結婚に対するトラウマが強い状況であった。そのような経緯から、3人で暮らす練習を半年ほどした去年の春に、私は晴れて石川家の2度目のお嫁さんとなった。
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