特集 これが私の訪問看護だ。—実践にみる「在宅看護学」の原点
【私の実践集】
➌その人らしさを支える「ガイドナース」の外出支援
松木 満里子
1
1Accommo. Care Service株式会社
pp.866-869
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200026
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私が看護師になったのは今から30年前。東京都世田谷区にあった国立病院附属看護学校を卒業し、同系列の国立病院の小児科に就職しました。そこには、生まれてから何年も家に帰れず入院している子どもたちや、病院から学校に通う子どもたちがいました。
先天性の糖尿病でインスリンの教育入院中に、食堂から食パンを盗み、3斤分はあろうかという食パンを耳だけ残してくりぬいてトイレで食べていた男の子。慢性腎不全で入院中、明日は透析の日だったのにその1日が待てずに、チョコレートを食べて亡くなった子。「いい子になるよ、いい子になるよ」と言いながら涙を目にいっぱい溜めて腰椎穿刺に耐えていた白血病の女の子。この子たちとの出会いが、「病」というものの理不尽さを私に教えてくれたのかもしれません。
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