特集 これが私の訪問看護だ。—実践にみる「在宅看護学」の原点
【私の実践集】
➍自分らしく生きられる居場所を住民とともに地域につくる
繁澤 弘子
1,2
1有限会社耕グループ
2くわのみ訪問看護ステーション
pp.870-872
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200027
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私が訪問看護を始めたきっかけは、当時勤務していた病院の院長からの打診だった。地域で第1号となる訪問看護ステーションの開設準備中に、「看護師のなかでも『この人なら』と思うメンバーに声をかけたが誰もやりたがらない。管理者をやってもらえないか?」と頼まれたことにさかのぼる。
当時私は「地域医療は住民こそが主人公」を理念に掲げる50床の国保病院の健康管理室に勤務し、おもに健康管理活動を行なっていた。病院長からのオファーに「えぇー! 私が訪問看護?」とたいへん戸惑った。そして「今、当院にとって地域住民から求められる活動で優先順位が高いのは、健康管理か在宅支援のどっちだろうか?」と真剣に考えた。自分がやりたいのは健康管理活動だけど、「求められているのは在宅支援だろう」と考え、「やれと言われるのなら、やってみよう」と腹をくくったことに始まる。37歳のときだった。
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