特集 Buurtzorg(ビュートゾルフ)との邂逅―何を学び、どう活かすか
Buurtzorgは日本の医療・介護の「文化」を変えるか―制度の違いを乗り越えて今こそ学ぶべきこと
西村 周三
1,2
1京都大学
2前・国立社会保障・人口問題研究所
pp.449-453
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102808
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筆者は、近年世界的に大きな話題となっているオランダの在宅ケア組織Buurtzorg(ビュートゾルフ)財団について、堀田聰子氏(労働政策研究・研修機構)の紹介のもと、主宰のJos de Blok(ヨス デ ブロック)氏とその協力者による講演を数回にわたって聞く機会を得た。また、そのたびごとに、講演後の彼らと面談し、数々の質問をすることもできた。さらに、ヨス氏本人*1や最近注目されている経営学者*2によるビュートゾルフについての著作も読んでいる。
現在、日本が直面する最大の課題のひとつは、超高齢社会に向けて、可能なかぎり「在宅」でケアを提供するという理念を、いかに確立していくかという点である。そのために、ビュートゾルフの理念と実践はおおいに参考になると感じた。そこで本稿では、ビュートゾルフの活動について、その日本への適用可能性を議論したい。以下の論考は、長年にわたって日本の医療・介護制度を学んできた者の1人として、以上で得た情報をもとに、ビュートゾルフについての感想を述べながら、日本の在宅ケアのあり方への示唆を探ろうとするものである。
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