ほっとらいん ふろむ ほんごう
「老」「死」に迫るドキュメンタリー 映画『季節めぐり それぞれの居場所』
pp.406
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102192
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既存の施設を飛び出し、自ら理想とするケア事業の“居場所”をそれぞれ立ち上げた若者たちの奮闘を描いた前作『ただいま それぞれの居場所』(2010年公開)で文化庁映画賞文化記録映画大賞を受賞した大宮浩一監督が、その続編となる新作『季節めぐり それぞれの居場所』を完成させた。4月から、東京・ポレポレ東中野での上映を皮切りに、順次、全国での劇場公開が予定されている。
今回登場するのは、埼玉県坂戸市のピープル福祉事業社「元気な亀さん」代表・瀧本信吉さん、青森県北津軽郡「花まるデイサービスセンター」管理者・中田妃登美さん、そして千葉県木更津市のNPO法人「井戸端介護」(宅老所「井戸端げんき」、デイサービス「縁側よいしょ」)代表・伊藤英樹さんとそのスタッフ、利用者・ご家族のみなさん。いずれも共同で独自のケアのかたちを立ち上げ、“それぞれの居場所”をつくっている。また、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県宮古市のNPO法人「愛福祉会」(介護付有料老人ホーム)施設長・瀬浪仁志さんが現地で抱える地域ケアのジレンマにも迫る。「東北関東大震災・共同支援ネットワーク」を拠点に被災地で活動する伊藤さんたちが、宮城県石巻市にお茶っこスペース「ちょこらい」(寄り合いサロン)を立ち上げる過程に密着するなかで、いつしかカメラに収められた風景は新しい季節を迎えていた。
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