特集 認知症医療・ケアの知識を見直そう 認知症こそ在宅・地域で
認知症支援の便利ツール―「情報障害」としての認知症へのアプローチ
安田 清
1,2
1千葉労災病院リハビリテーション科
2京都工芸繊維大学総合プロセーシス研究センター
pp.1004-1007
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102059
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認知症の中核症状は、記憶障害である。記憶障害とは、情報の貯蔵や検索ができない「情報障害」と考えられる。たとえば、“財布を置いた場所”を検索できない。それが、“盗られた”という思い込みの原因となり、さまざまな周辺症状を引き起こす。であれば、そもそもの原因である「財布を置いた場所の検索」を支援すればよいのではないか。
従来の認知症支援は、心理的・社会的なものに偏りがちである。各種ツールなどによる、「情報支援」も行なうべきだ。筆者は、本誌にて、「もの忘れを補うモノたち――簡単な器具と器機による認知症・記憶障害の方への生活支援」を2007年5月号から1年間連載し、これらのツールを紹介した。本稿では、その後に考案したものなどを紹介する。
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