連載 訪問看護 時事刻々・152
今月の話題 看取り
石田 昌宏
pp.939
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102036
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来年春の介護報酬改定に向けて議論が行なわれている厚生労働省の介護給付費部会。今年も「看取り」への対応がテーマになった。今から25年後には年間死亡者数が170万人(今の1.5倍)になると見込まれている。病院などの病床数は増えないと考えられるから、このままでは数十万人が死に場所がなくなるという推計さえある。いままで医療を中心に看取りを行なってきたが、介護の分野でも積極的に取り組んでいかねばならないというわけだ。
「終の棲家」として期待されているのは特別養護老人ホームだ。すでに45万床近い定員をもつ。退所理由のうち63.0%が「死亡」であるから、まさにそれを実践している。ところがそのうち6割ほどが施設内から出て医療機関に入院し、そこで死亡しているという。看護師数が少ないなど、看取りができる体制が整っていないためだ。また平均在所日数も長く1465日もある。入所者が長くいるため、新しい入所が難しい。
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