連載 続・白衣のポケット・5
母の死,子の死
志水 夕里
pp.406
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901427
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死というのは,本当にそれぞれで,同じものは1つも無い。しかし,一様に重く,心に刺さって,何度看取っても,慣れはしない。
出産したばかりの,若い母の死があった。ほどなくして,生後1日で手術を受け,その翌日亡くなった子どもを看取った。出産で,III度の裂傷を負った母は,気丈にも歩いて面会を繰り返していたけれど,その子を初めて抱いたのは,亡くなって,全てのルートがはずされてからであった。
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