特集 2012年診療報酬・介護報酬同時改定に向けて
訪問看護推進のために今、現場が求めていること―全国訪問看護事業所への調査結果の分析から
福井 小紀子
1
1日本赤十字看護大学大学院地域看護学分野
pp.570-580
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101927
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超高齢社会を急速に迎えつつあるわが国において、政府は、医療と生活の両方の視点をもって専門的支援を提供する訪問看護に大きな期待を寄せ、訪問看護事業が制度化されて以来約20年にわたり、診療報酬および介護報酬改定のたびに、訪問看護管理療養費や同基本療養費など、訪問看護に対する評価そのものの増額や、さまざまな加算の新設などの形で、政策的支持を行なってきた。
しかし、にもかかわらず訪問看護ステーションの設置数と利用者数は、今なお伸び悩んでいる。その理由として、小規模経営かつ利用者個々の居宅を主とするサービス提供形態であるという特性ゆえに、経営効率が悪いこと、訪問看護師1人にかかる責任や負担が大きく高い能力が求められる一方で処遇がなかなか改善されないこと、加えて訪問看護師の人材不足や地域で働く看護師の教育体制整備が不十分であることなどが指摘されている。
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