連載 せんねん村村長 老いを地域で活かす・11
「老衰」という死に方―よりよい生を全うするために④
中澤 明子
1
1社会福祉法人せんねん村
pp.654-657
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101672
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
日本人の歴年の死因順位などをみると,戦前戦後には「老衰」を死因として,加齢に伴う“自然な死”を迎える方も少なくなかったようです。しかし,現在,「老衰」で亡くなる方は全体のわずか2.6%にすぎません(平成18年人口動態統計月報年計の概況,厚生労働省)。85歳以上の高齢者に限ってみても,癌や心疾患,脳血管疾患で亡くなる方が多く,老衰は死因の4位か5位にとどまっています(100歳以上となると,一転して「老衰」が死因の第1位となります)。この背景には医療の進歩や公衆衛生による長寿化があり,良いとも悪いとも一概には言えませんが,姑の死をとおして,「老衰」という1つの死のあり方を体験しましたのでお伝えしたいと思います。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.