『逝かない身体――ALS的日常を生きる』大宅壮一ノンフィクション賞受賞記念企画
―【受賞によせて】訪問看護・介護の立場から―患者さんに教えられて
塩田 祥子
1
,
中村 記久子
2
1訪問介護派遣事業所(有)ケアサポートモモサービス
2特定非営利活動法人ALS/MNDサポートセンター「さくら会」
pp.538-540
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101644
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――『逝かない身体』にしばしば登場され,難病ケアに長年かかわってこられたお2人に,当時のご経験や思い,そして介護職・看護職として今感じられていることをおうかがいしたいと思います。
塩田 1996年のたしか6月の終わりごろだったと思います。当時登録していた人材会社に派遣されて川口さんのお宅にうかがいました。とくに事前の面談等もなく,電話一本で「ALSという病気はご存知ですか?」「いえ,知りません」「じゃあ,とりあえず行ってみてください」という感じで(笑)。それが,川口さんと,そのお母様でALSの島田祐子さんとの出会いです。それから,島田さんが亡くなるまでの約11年間はヘルパーとして,また,2003年に川口さんがご自宅を事務所に立ち上げられた訪問介護派遣事業所の責任者になって今に至ります。
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