連載 マグネットステーション インタビュー・29
デイサービスで介護を学んだスタッフたち―訪問看護ステーションひより,多田みゆき所長に聞く
望月 愛子
1
1財団法人恵愛会在宅事業部
pp.325-329
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101593
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望月 訪問看護ステーション「ひより」はデイサービスの延長上で立ち上げられたと聞きましたが,設立のいきさつはどのようなことですか。
多田 2002年4月に,利用者さんが自由に,その人らしく過ごせる第2の家のような施設をつくりたいと,思いを同じくする3人で,有限会社「すこやか」をつくり,翌年1月に居宅介護支援事業所ひよりを開設し,さらに同じ年の4月にデイサービスセンター「ひより」をつくって,居宅とデイサービスを受け入れました。早くから訪問看護ステーションを立ち上げたかったのですが,スタッフには,福祉の現場での視点を養ってほしいという思いからデイサービスのなかで勉強してもらい,生活全部を見ることのできる訪問看護師が揃ったところでステーションを立ち上げたいと考えていたんです。かつてヘルパーステーションの所長をしていたときに,看護師は患者さんやヘルパーに対してとかく上からものを言いがちで,その目線が自分のなかにもあることに気がつき,在宅を支えるヘルパーの働きぶりに病気を見るんじゃなくて,その人を見る,その人をとりまく家族も,生活も,全部見ていくのが在宅ケアだと教えてもらった。会社をつくって,まずデイサービスを始めたのはそんな思いからです。
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