特集 豊かな在宅ケアの実現に向けて いま,できることを!
訪問看護の展望―介護保険制度の10年から見えてきたこと
岡本 祐三
1,2
1国際高齢者医療研究所
2岡本クリニック
pp.16-22
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101504
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
訪問看護制度の歴史をふり返る
日本で訪問看護制度が発足したのは,1992年の老人保健法に基づく「老人訪問看護ステーション」がはじまりである。これが契機となって,1994年に健康保険法が改正され,高齢者以外の在宅療養者にも訪問看護の適用が拡大された。在宅で療養する障害者(児)等に対しても訪問看護ステーションや医療機関からの訪問看護が利用できるようになったことは,まさに画期的なことであった。
制度の発足前,筆者はその立法のための国会の委員会に参考人として再々招聘され,英国(最古)や北欧およびカナダ,米国では長い歴史を経て,訪問看護が社会的機能として完全に定着していること,高齢社会が伸展すると高齢障害者も急増し,在宅での療養に訪問看護は不可欠の存在であることを力説した。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.