連載 自宅で死んでみませんか・6
老衰 その三
皆川 夏樹
pp.254-257
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101294
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老衰 その三
江藤Sさん(女性)、享年九一歳
私が訪問診療でSさんの所に伺うようになったのは、お亡くなりになる約三年前からでしたが、その時点で既に、唸り声はあげるものの喋ることはできず、両足は股関節・膝関節がしっかり曲って伸びず、ベッド上寝たきりで、浴槽を運び込んでの入浴サービスの時以外、ベッドから離れることはない状態でした。
それ以前の経過としては、前医がカルテに記載しているところでは、約一二年前に脳梗塞、心筋梗塞で入院加療。その後自宅退院していましたが、肺炎を何度か起こし、食事も進まなくなってきたため、九年前に胃ろうを造られた、ということでした。
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