連載 ほんとの出会い・35
味わうこと 慈しむこと
岡田 真紀
pp.176
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101269
- 販売していません
- 文献概要
仕事帰りに一人でお茶を飲んでいると,子どもたちが15年以上前にお世話になった保育士さんが偶然同じ喫茶店にいらした。「パジャマのボタンのかけ方も教えられないくらい何にも知らなかった私が,3人も子どもを産めたのは保育園のおかげ。先生方には今も感謝しています」と,今更ながらにお礼を言った。
3人合わせて10年間通った保育園については一冊本が書けるくらい思い出がいっぱいある。とくに3番目の子は食物アレルギーがひどく,毎朝,粟だのきびだのでお弁当を作り,それも毎日同じ物を食べると感作するので,今日はサツマイモの日,今日はトウモロコシの日とおやつとお昼を同じ食材で揃えて持っていった。カスタードクリームなど触るだけでも赤く腫れあがるような子だったので,保育士さんたちも,ほかの子どもと同じ物を食べてしまわないようにと,とても気を配ってくださったものだった。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.