連載 ヒト・モノ・バをつなぐ認知症ケア―今日のデザインの役割・7
看護と介護,デザインに共通する視点
山崎 正人
1
1東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程
pp.68-71
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101243
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認知症ケアの基本となる観察
●ケアに必要な「みる」と「観る」
見・視・眺・望・省・証・診・看,これらはすべて「みる」という漢字です。日本人は実に多くの「みる」を目的に応じて使い分けなければなりません。「視」は,部分を見つめ,「眺」は,全体を眺める,「望」は,はるか未来をみる,「省」は,心のなかをかえりみる。これらすべての「みる」を超えた後にいたる境地,その境地をそなえ千の眼で自在にものを見通すことができる「千手千眼自在菩薩」は,福井県小浜市の妙楽寺に安置されています。
また,宮本武蔵の伝記のなかに,「見の目」弱し,「観の目」強くみるべしということばが残されています。「見の目」とは,物事を表面しか見ないこと,「観の目」は物事を奥(本質)まで見通すという意味です。
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