特集 乳肉衛生
人畜共通伝染病
松井 武夫
1
1国立公衆衛生院衛生獣医学部
pp.429-435
発行日 1959年7月15日
Published Date 1959/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202162
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I.まえがき
人畜共通伝染病(Zoonoses)という言葉はその語源はギリシヤ語のAnthoropo-Zoonoses(diseases transmitted from animals toman)及びZoo-anthoroponoses(diseasestransmitted from man to animals)にあるといわれている。近年とみに関係者の間で通用せられるようになつた言葉である。そしてこのことは公衆衛生上重要であることは,WHO,FAO共同主催による専門家委員会が1950,1958年の2回に亘つて開催せられ,討議せられていることでも判る。
人畜共通伝染病というと,単に動物から人に感染する疾患だけにとられ勝であるが,その逆に人から動物にくるもの,人,動物,共に同一病原に感染はするもののその連鎖関係が不明なものまたはその自然感染が直接にはないものなども含まれる。前述の2回の専門家委員会においては,第1回には「diseases which are naturally transmitted between vertebrate animals andman」と定義付けられ,第2回にはこれを少し修正して「Those diseases and infectionswhich are……」となつている。
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