特別記事
在宅におけるがん性疼痛の緩和―WHO方式3段階ラダーの基本と応用
有賀 悦子
1
1国立国際医療センター戸山病院緩和ケア科
pp.670-677
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101139
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悪性腫瘍をもった患者にとって,疼痛は不安を招きQOLを阻害する症状の1つである。疼痛緩和にはオピオイド(脳内麻薬様物質)を必要とすることが多く,安全で効果的な疼痛緩和を実現するべくWHO方式除痛ラダーに従った段階的な投与を基本とする(図1)。
疼痛の要因には,身体的原因に加えて,適応障害,うつ,不安,経済的問題や家族の問題など心理・社会的原因が関与する(図2)。よって,疼痛緩和は薬剤投与だけではないことを念頭に,身体的疼痛緩和の開始に並行して,患者・家族が抱えている心理・社会的問題の整理を援助し,必要に応じて多職種と連携していく。
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