連載 在宅ホスピスの現場から ターミナルケア実践からの12の学び・12【最終回】
―在宅で難治性疼痛を管理する―WHO3段階除痛ラダーを超えての疼痛緩和
扶蘓 由起
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1医療法人ひばりホームホスピスひばりクリニック奈良在宅ホスピスセンター
pp.1038-1041
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102065
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鶴子さんは、乳がんのホルモン治療継続中に、左臼蓋・右大転子に骨転移が発見され、放射線治療を受けました。しかし、疼痛コントロールが十分図れず、3か月後メタストロン®(89Sr)*1を投与、その6日後に退院が決定していましたが、十分に疼痛緩和や管理ができない状況でした。
鶴子さんは、右股関節から腰部にかけての疼痛を、安静時には口頭式評価スケールVRS(Verbal Rating Scale)2~4(/10)、体動時にはVRS7~8(/10)と訴えていました。初回訪問時にも、「じっとしていても痛みがある。動いたら痛いし、全然動かれへん」などの発言がありました。
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