連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 人生85年時代
石田 昌宏
pp.565
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101112
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織田信長お気に入りの“敦盛”は「人間五十年 下天のうちを比ぶれば 夢まぼろしのごとくなり」。このころから50歳が命の長さとしてみられていた様子。それから350年近くたった大正11年,現在の医療制度の元となる健康保険法ができた年の平均寿命は女性で約43歳。一見下がったようだが,乳幼児死亡率の高さが原因と考え,40歳の平均余命を見直してみると約28年もある。だいたい65歳超が命の長さの目安だったろう。そして,現在はこの65歳をクリアしてさらに平均で約23年生きる(女性の場合)。90歳あたりでやっと大往生という感じ。
「後期高齢者と呼ぶのは失礼」云々といいますが,悠久の時から比べれば50歳も65歳も90歳もどうせ夢まぼろし。年齢でちまちま区切るのではなく,“年にかかわらずいつも全力投球”の設計図を模索したほうがいいのかもしれない。
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