連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 医師の確保対策
石田 昌宏
pp.117
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101004
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訪問看護や介護の現場の大半では,職員の不足を感じている。しかしそれ以上の問題として政府が認識しているのが医師不足である。2007(平成19)年5月31日に政府・与党が「緊急医師確保対策について」を取りまとめ,これを受けて2008(平成20)年度厚生労働省予算案でも最重点課題として挙げられた。
確かに医師不足には緊急の対策が必要だ。その一部として看護職が代わって役割を担うことが進むかもしれない。政府の規制改革会議は12月にナースプラクティショナーの導入など看護師の職能範囲の拡大や,正常分娩での助産師の活用などを答申した。今後の政策に反映するための議論が今年は起きるだろう。国会内での議論をみていると,医師の資格をもった議員からは慎重意見が多いが,ほかは前向きに考えている議員が多い印象だ。さらに麻酔医の問題もある。麻酔医が不在のため来院した女児が緊急手術を受けることができず,60km離れた病院に転送されたということが報道された。麻酔も看護師が一部を代行できるのではないかという意見が出ている。
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